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EigenLayer

Restaking

Supported Chains :

Ethereum

オンチェーンデータ

ロック済み総資産額 (TVL)
$11,691,205,754
時価総額
$388,302,205
1時間の変動
-0.97%
24時間の変動
-0.33%
7日間の変動
-1.93%

概要

EigenLayerは、イーサリアムのステーキング資産を複数のプロトコルで再利用可能にすることで、セキュリティを強化する「リステーキング」の仕組みを実現するプロトコルです。

詳細情報

  • カテゴリー

    Restaking

  • トークンシンボル

    EIGEN

  • 代表的なコントラクトアドレス

    0xec53bf9167f50cdeb3ae105f56099aaab9061f83

  • セキュリティ監査

TVLチャート

Coming Soon

EigenLayerとは

EigenLayerは、イーサリアムのステーキング資産を効率的に活用し、仮想通貨・ブロックチェーンの新しいセキュリティモデルを確立するプロトコルです。

EigenLayerの核となる「リステーキング」という仕組みにより、イーサリアムでステーキングしているETHやLiquid Staking Token(LST)を、さらに別のサービスのセキュリティ確保にも活用することができます。

従来のブロックチェーンプロジェクトは、独自のセキュリティネットワークを一から構築する必要があり、これには莫大なコストと時間が必要でした。EigenLayerは、既にイーサリアムに存在する強固なセキュリティを他のサービスでも共有できる「Cryptoeconomic Security as a Service(暗号経済的セキュリティのサービス化)」を実現します。

プロトコルは主に以下の3つの重要な要素で構成されています:

  1. リステーキング:イーサリアムのネイティブETHやLSTをEigenLayer上で再活用する仕組み
  2. Actively Validated Services (AVS):EigenLayerのセキュリティを活用して構築される様々なサービス
  3. オペレーター:AVSのために検証作業を実行し、プロトコルの運営を支えるノード運営者

このようなアーキテクチャにより、EigenLayerはイーサリアムのセキュリティを基盤とした新しいブロックチェーンサービスの開発を促進し、エコシステム全体の発展に貢献しています。

特に重要なのは、このプロトコルがイーサリアムのセキュリティを損なうことなく、その恩恵を他のサービスにも拡張できる点です。これにより、新しいブロックチェーンプロジェクトの立ち上げにかかるコストと時間を大幅に削減し、イノベーションを加速することが可能となります。

EigenLayerのリステーキングの仕組み

イーサリアムのステーキングでは、バリデーターとしてネットワークの安全性維持に貢献するためにETHを預け入れ、その報酬を得ることができます。一方、EigenLayerのリステーキングは、このステーキング済みのETHを活用してさらに追加の価値を生み出せる革新的な仕組みを提供します。

リステーキングには以下の4つの方法があります:

  1. ネイティブリステーキング:ETHのバリデーターが出金用クレデンシャルをEigenLayerのスマートコントラクトに設定することで参加できます。これはL1からEigenLayerへの直接的なリステーキングを可能にします。
  2. LST(Liquid Staking Token)リステーキング:LidoやRocket Poolなどの既存のリキッドステーキングプロトコルで獲得したトークンをEigenLayerのスマートコントラクトに預け入れることができます。
  3. ETH LPリステーキング:ETHを含むペアのLPトークンをステーキングすることができます。
  4. LST LPリステーキング:Curveのsteth-ETH LPトークンのような、液体ステーキングトークンを含むペアのLPトークンをステーキングする方法です。

リステーキングのプロセスでは、参加者は以下の2つの選択肢があります:

  • オペレーターとして直接AVSの検証作業に参加する
  • 他のオペレーターに資産を委任し、検証作業を任せる

参加者には以下のようなメリットがあります:

  1. 追加の収益機会:既存のイーサリアムステーキング報酬に加えて、AVSからの追加報酬を得ることができます。
  2. 柔軟な参加オプション:技術的な知識や設備がなくても、委任を通じて簡単にリステーキングに参加できます。
  3. 資本効率の向上:同じ資産を複数のサービスのセキュリティに活用できるため、資本効率が大幅に向上します。

ただし、リステーキングには通常のステーキング以上のリスクが伴う可能性があります。参加者は、自身のステーキング資産がAVSのセキュリティ違反があった場合にスラッシング(没収)される可能性があることを理解しておく必要があります。このため、EigenLayerはリスク管理のためのダッシュボードも提供しています。

AVS(Actively Validated Services)について

AVS(Actively Validated Services)は、EigenLayer上に構築される検証が必要なサービスの総称です。通常のブロックチェーンサービスと異なり、AVSはEigenLayerのプロトコルを通じてイーサリアムの強固なセキュリティを活用できます。

AVSを理解するためには、まずサービスマネージャーという概念を知る必要があります。サービスマネージャーは、AVSとEigenLayerのコアコントラクトを橋渡しする重要な役割を果たします。例えば、検証作業を行うオペレーターの管理や、不正行為があった場合のスラッシング(資産没収)の実行、さらには正しく作業を行ったオペレーターへの報酬分配などを担当します。

AVSの具体的な活用例をいくつか見ていきましょう。まず注目すべきなのが、ハイパースケールデータアベイラビリティレイヤーです。これは、ブロックチェーン上のデータの可用性を高めながら、コストを抑えることを可能にするサービスです。イーサリアムが開発を進めているDankshardingという技術と組み合わせることで、より効率的なデータ管理が実現できます。

また、分散型シーケンサーも重要なAVSの一つです。これは、複数のロールアップ(イーサリアムのスケーリングソリューション)で利用可能な共有の順序付けシステムを提供します。このサービスにより、取引の順序操作(MEV)の管理や、検閲への耐性を確保することができます。

さらに、ブロックチェーン間の安全な橋渡しを実現するライトノードブリッジや、信頼性の高い価格情報を提供するオラクルなども、AVSとして実装が期待されているサービスです。これらは従来、独自のセキュリティネットワークを構築する必要がありましたが、EigenLayerを利用することで、より安全かつ効率的に運営することが可能になります。

AVSがイーサリアムエコシステムにもたらす最大の貢献は、セキュリティの共有による開発コストの削減です。新しいブロックチェーンプロジェクトを立ち上げる際、セキュリティの確保は最も重要かつコストのかかる要素の一つでした。AVSを通じてイーサリアムのセキュリティを共有することで、開発者はより本質的な価値創造に注力できるようになります。

また、AVSは各サービスが特定の機能に特化できるモジュラー型の設計を採用しています。これにより、イーサリアムネットワーク全体の処理能力向上にも貢献しています。このように、AVSはEigenLayerの重要な構成要素として、イーサリアムエコシステムの健全な発展を支えているのです。

運営組織と開発状況

EigenLayerは、EigenLabsという組織によって開発が進められているプロジェクトです。EigenLabsはEthereumのセキュリティを拡張し、ブロックチェーンエコシステムの発展に貢献することをミッションとして掲げています。2024年の時点で、EigenLabsのチームは38名から95名にまで成長しています。

プロジェクトの大きな進展として、2023年6月に最初のステーキングコントラクトをローンチし、2024年4月にEigenLayerプロトコルのメインネット展開を完了しました。この中で、暗号経済的セキュリティを強化・拡張する強力な新しいプリミティブである「リステーキング」が導入されました。

また、2024年4月にはEigen Foundationが設立され、約30名のチームでガバナンスとエコシステムの取り組みを推進しています。Foundationは、EigenLayerエコシステムの成長と分散化を支援する重要な役割を担っています。

開発面での重要なマイルストーンとして、以下の実績が挙げられます:

  • EIGENトークンの導入と、Season 1およびSeason 2のステークドロップの成功的な実施
  • EigenGovフレームワークとProtocol Councilの導入によるガバナンス体制の確立
  • 2024年10月からのプログラマティックインセンティブの開始

エコシステムの成長も著しく、2024年には:

  • 130以上のアクティブなAVS(開発中またはテストネット段階)
  • 29のメインネットAVSが稼働
  • Consensys、LayerZeroなど14の主要パートナーとの連携を実現

セキュリティ面では、EigenLabsは引き続き慎重なアプローチを維持しています。Protocol Councilが導入され、5名の専門家メンバーと3-of-5のコミュニティマルチシグによって、重要な決定やセキュリティに関する監督が行われています。

さらに、Ethereumのコアインフラストラクチャーの強化にも貢献しており、EIGENトークンの総供給量の1%(約1,670万トークン)をProtocol Guildに提供し、180以上のEthereumコア開発者をサポートしています。

このように、EigenLayerは2024年を通じて大きな進展を遂げ、オープンイノベーションの未来を築くための重要な基盤を確立しています。テクノロジーの革新性を追求しながらも、セキュリティと安定性を重視した開発アプローチは継続されており、分散型金融の発展における重要な役割を果たしています。

EigenLayerのメリット

イーサリアムはスマートコントラクトアプリケーションのための安全な基盤として確立されていますが、多くのWeb3開発者はイーサリアムの計算能力を超えて、より高度なオフチェーンサービスを提供したいというニーズを持っています。

EigenLayerは、イーサリアムの上に追加のレイヤーを構築することで、開発者が独自のブロックチェーンネットワークやサービスを構築する際のコスト、複雑さ、リソースを重複させることなく、イーサリアムの基盤上に構築することを可能にします。これは、Web3サービスのブートストラップ問題を解決する画期的なソリューションとなっています。

特に重要な点は、EigenLayerが暗号経済的セキュリティを共有するマーケットプレイスとして機能することです。これにより、新規プロジェクトは独自のセキュリティネットワークを構築する必要がなく、イーサリアムの強固なセキュリティ保証を活用できます。

ステーカー(資産保有者)のメリット

ステーカーにとって最大のメリットは、既存のステーキング資産から追加の収益を得られる点です。ETHやLST(Liquid Staking Token)をEigenLayerにリステーキングすることで、イーサリアムのステーキング報酬に加えて、AVS(Actively Validated Services)からの追加報酬を獲得することができます。

リスクとリターンの面では、リステーキングには追加のリスクが伴いますが、EigenLayerはこれを適切に管理するための仕組みを提供しています。ステーカーは自分のリスク許容度に応じてAVSを選択することができ、参加するサービスを完全に制御できます。スラッシング(ペナルティ)のリスクは、参加を選択したAVSに限定されます。

参加方法としては、主に2つのオプションがあります:

  1. ネイティブリステーキング:イーサリアムのバリデーターとして、引き出し資格情報をEigenLayerコントラクトに設定する方法
  2. LSTリステーキング:LidoやRocket Poolなどの液体ステーキングトークンをEigenLayerにステークする方法

開発者のメリット

開発者にとって最大のメリットは、イーサリアムの確立されたセキュリティを活用できる点です。新しいサービスを立ち上げる際に、独自のセキュリティネットワークを構築する必要がなく、すでに存在する大規模なステーカーネットワークを活用できます。

開発コストの面では、EigenLayerを利用することで以下のコストを大幅に削減できます:

  • セキュリティの確立に必要な資本調達コスト
  • バリデーターネットワークの構築コスト
  • 運用インフラの維持コスト

さらに、EigenLayerはパーミッションレスなイノベーションを可能にします。開発者はセキュリティフレームワークをゼロから構築する必要がなく、コアとなる差別化要因に集中できます。これにより、データ可用性レイヤー、オラクル、ブリッジなど、さまざまな新しいサービスの開発が加速されています。2024年時点で、130以上のアクティブなAVSが開発中または稼働しており、活発なイノベーションが行われています。

EigenLayerの今後の展望

EigenLayerは、イーサリアムのセキュリティを基盤としたオープンイノベーションの未来を構築することを目指しています。プロトコルの成長可能性は非常に高く、特にインフラストラクチャーのモジュール化、分散化、相互運用性の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されています。

イーサリアムエコシステムへの影響も大きく、EigenLayerはEthereumのコアインフラストラクチャーの強化に積極的に貢献しています。その一例として、EIGENトークンの総供給量の1%(約1,670万トークン)をProtocol Guildに提供し、180以上のEthereumコア開発者のサポートを行っています。

現在の規模と実績

2024年、EigenLayerは急速な成長を遂げ、開発者エコシステムとして最も急成長したプロジェクトの1つとして認識されています。現在の主要な実績として:

  • 200B以上のTVL(Total Value Locked)を達成
  • 29のメインネットAVSが稼働中
  • 130以上のアクティブなAVSが開発中またはテストネット段階
  • 14の主要パートナーとの提携(Consensys、LayerZero、RiscZeroなど)
  • コミュニティの規模はDiscord約20万人Twitter約40万フォロワーを突破

また、EIGENトークンの分配も順調に進み:

  • Season 1では28万人以上のコミュニティメンバーに1.13億EIGENを配布
  • Season 2では7,000万EIGENをステーカーとオペレーターに配布
  • 88%以上のトークンが即座にステークおよび委任される高い参加率を達成

今後の開発ロードマップ

EigenLayerの今後の開発は、以下の主要な方向性に焦点を当てています:

予定されている主要なアップデート

  • AVSのスケーラビリティ向上
  • セキュリティメカニズムの強化
  • クロスチェーン機能の拡張

長期的なビジョンとして、EigenLayerは「信頼のマーケットプレイス」としての地位を確立し、Web3インフラストラクチャーの標準となることを目指しています。このビジョンの実現に向けて、以下の取り組みが進められています:

  • 分散型インフラストラクチャーの発展支援
  • クロスチェーンの相互運用性の向上
  • コミュニティ主導のガバナンスの確立

これらの取り組みを通じて、EigenLayerは分散型金融の発展、特にインフラストラクチャーの民主化に焦点を当てた発展に重要な役割を果たし続けることが期待されています。

※本記事で掲載しているプロトコルの情報は、DefiLlamaに記載されているデータに基づいています。

参考:
公式ドキュメント:https://docs.eigenlayer.xyz/eigenlayer/overview/
WhitePaper:https://docs.eigenlayer.xyz/assets/files/EigenLayer_WhitePaper-88c47923ca0319870c611decd6e562ad.pdf
WhitePaper:https://docs.eigenlayer.xyz/assets/files/EIGEN_Token_Whitepaper-0df8e17b7efa052fd2a22e1ade9c6f69.pdf
公式ブログ:https://www.blog.eigenlayer.xyz/eigenlayer-2024/

注意事項

  • 本記事は、情報提供のみを目的としており、投資助言や金融商品の売買を推奨するものではありません。
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