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Bitcoin(ビットコイン)の誕生
リーマンショックの金融危機によって世界が大ダメージを受けてるなか、「Satoshi Nakamoto」という名前の人物またはグループによって「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文が発表されました。
ビットコインは第三者(銀行や支払いゲートウェイなど)を介さずに直接取引を行うことができるデジタル通貨を作成することを主な目的として、これに賛同する有志のメンバーで開発されました。
ブロックチェーンの仕組みとマイニングのインセンティブ設計で分散性を持って運営される通貨が誕生して次第に大きな価値を持つようになりました。ビットコインの誕生をきっかけに様々なブロックチェーン、暗号資産(仮想通貨)が生まれることとなります。
Bitcoinのフォークから誕生したチェーン
ビットコインの実装コードをベースとして改善や機能を加えたり、コミュニティとの思想の違いから分裂したりして多くのチェーンが誕生しました。
Litecoin(ライトコイン)
Litecoinは2011年にビットコインをフォークして誕生しました。ビットコインのトランザクションの処理速度が遅い問題などを解決するために開発され、ブロックの生成時間を短くするなど設定が変更されています。
分散型でオープンソースの決済ブロックチェーンであることは同じですが、より早いトランザクション、安い手数料を実現しています。
Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)
Bitcoin Cashはビットコインのスケーラビリティ問題を解決するためにビットコインから分裂する形でフォークされました。日常生活の決済手段としての機能が向上するための改善が加えられています。ビットコイン自体のトランザクションにかかる時間はお店のレジで利用するには厳しいところがあり、日常生活に導入しやすくするためのビットコインの改善提案で意見が割れてBitcoin Cashが生まれることになりました。
1ブロックのブロックサイズがビットコインの1MBから8MBに増加し、その後さらに32MBに増加しています。トランザクションの処理速度とスケーラビリティが向上し、決済手段としての機能性を改善しています。
Zcash(ジーキャッシュ)
Zcashはビットコインのフォークからプライバシー保護機能を追加して2016年に立ち上げられました。ビットコインではどのアドレスがいくら持っていてどんなトランザクションをしてきたか誰でも詳細を確認できるようになっていますが、Zcashはゼロ知識証明を使用してトランザクションの詳細を秘匿化しながらノードがトランザクションの正当性を検証できるように機能を追加しました。
プライバシー保護を掲げるプロトコルはマネーロンダリングでの使用などが懸念され目の敵にされがちで開発者たちにもリスクがあります。一方でアドレスを特定されて多額の仮想通貨を持っていることが分かったインフルエンサーがリアルで襲われる事件なども起きており、仮想通貨、ブロックチェーンが給与支払いや決済などで一般層にも安心・安全に浸透していくためにはこのようなプライバシー機能を持ったプロトコルは必要になってくると考えられます。
Ethereum(イーサリアム)の誕生
イーサリアムは2013年にVitalik Buterinにより提唱されました。Vitalikはビットコインのスクリプト言語の制約に対する解決策として、より一般的なプログラミング言語を持つ新しいブロックチェーンを提案しました。このアイディアはビットコインコミュニティ内で受け入れられなかったため、彼はイーサリアムを作成することになりました。単純な送金だけでなく、もっと複雑なアプリケーションもブロックチェーンで動かしたい、という想いがイーサリアムの誕生につながりました。
Vitalikは有志の開発者と共にイーサリアムの開発を進めたが、その中で大きな役割を果たしたのがGavin Woodです。GavinはEthereumの技術仕様書であるイエローペーパーを作成し、Solidityというスマートコントラクト言語を設計、Ethereumの仮想マシン(Virtual Machine: VM)であるEVMの実装で中心的な役割を果たしました。
イーサリアムは2015年にメインネットがローンチされ、それ以来、スマートコントラクトと分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームとして急速に成長してきました。その一方で、取引が活発になるにつれてトランザクションに時間がかかりガス代が高騰する状態になっていき、一般のユーザーにとって使いづらさも出てくるなど課題も出てきました。
イーサリアムキラーの台頭
イーサリアムのトランザクションの処理速度やガス代の高騰などの課題が出てきたなか、イーサリアムのようにアプリケーションを動かすことのできるブロックチェーンでありながらイーサリアムに生じた課題を解決した新興チェーンがいくつも出てきました。特に有望視されるチェーンは「イーサリアムキラー」と呼ばれて多くのユーザーを集めています。イーサリアムキラーについて以下にいくつか紹介します。
Polkadot(ポルカドット)
Polkadotは、異なるブロックチェーンを相互に接続し、情報や価値を効率的に転送することができる分散型プラットフォームです。Parachainという独自のブロックチェーンを作成し、ハブの役割を果たすPolkadotに各Parachainが接続することで相互通信できるのが特徴です。
Polkadotは分散型ウェブ技術の研究と開発を支援するための組織のWeb3 Foundationによってプロジェクトが開始され、Gavin Woodの設立したParityが主要な開発チームとしてプロトコルの開発を行っています。
日本人が中心となって活動しているブロックチェーンのAstarはこのParachainの1つになります。日本の大企業がWeb3進出する際にAstarをプラットフォームとして選択することも多く、注目のブロックチェーンです。
Solana(ソラナ)
Solanaは高速なトランザクションと低い手数料を実現するための新しいアーキテクチャを採用しているチェーンです。”Proof of History(PoH)”という独自の合意アルゴリズムを使用して、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決しています。PoHは、ブロックチェーンのスケーラビリティと信頼性を向上させるための技術で、各トランザクションにタイムスタンプを付けることで、システム全体の同期と効率を向上させます。また、低い取引手数料もSolanaの魅力の一つです。これにより、DeFiやNFTを利用したアプリケーションがこのプラットフォーム上で広く採用されています。
スマートコントラクトにはWebAssembly (WASM)が使われており、SolidityではなくRustでスマートコントラクトを実装するようになっています。
FTXがSolana上のDEXの開発やその他のエコシステム発展のための投資など密接に関わってきた経緯もあり、FTX事件の際はトークン価格などに大きな影響がありました。また、Solanaは過去にネットワークのダウンタイムを経験しており、これはプラットフォームの信頼性に疑問を投げかけるものに思われました。特に、2021年には17時間にわたってネットワークが停止する事態が発生しています。しかしSolanaの人気は強固なものになっており、そういった逆風も乗り越えブロックチェーンの一大勢力として地位を確固たるものにしています。
現在も稼働しておりTVLや取引ボリュームでもTOP10(2024年4月現在)に入る人気の根強いチェーンで高速なトランザクション処理能力と革新的な技術による優れたUXはブロックチェーンの未来に大きな影響を与えるかもしれません。2022年末頃トークン価格は下落してしまっていましたが、2023年を通して大幅に回復しており、取引量も2023年の12月ごろから爆発的に増加し、Ethereumメインネットに匹敵するほどまで増加しています。2024年最注目のチェーンの1つです。
Avalanche(アバランチ)
Avalancheは”Avalanche Consensus”という新しい合意アルゴリズムを採用していて高いスケーラビリティとセキュリティを兼ね備えているチェーンです。EVMが搭載されていてSolidityでスマートコントラクトが書けるためイーサリアムで展開されていたDAppsも進出しています。
Avalancheはサブネットという独自のブロックチェーンを簡単に作成することができ、メインのチェーンのノードにサブネットへの参加を募ることができる仕組みも特徴の一つです。一般企業との提携なども時折発表されているイメージでイーサリアムキラーの中でも一定の地位を築いている印象です。
Cosmos(コスモス)エコシステム
Cosmosは、ブロックチェーンの相互運用性を目指す革新的なエコシステムです。Tendermint Inc.によって開発され、元々はBitcoinのスケーリングソリューションとして提案されたTendermintコンセンサスアルゴリズムを基盤にしています。Cosmos SDKは、Tendermintを採用したブロックチェーンを簡単に構築できる開発キットで、これを利用して作られたブロックチェーンの集合体がCosmosエコシステムです。
Cosmosの哲学は、各アプリケーションが独自のブロックチェーンを持ち、IBC(Inter-Blockchain Communication)規格に従って安全に相互接続されるべきだというものです。Cosmos Hubはエコシステムの中心にありますが、必ずしもすべてのチェーンがHubに接続する必要はありません。これは、Polkadotとの主な違いの一つです。
エコシステム内では、OsmosisやDYDXなどのアプリケーションチェーンが相互に接続されており、EVMやWasmVMを搭載したDAppsのプラットフォームとして機能するチェーンも存在します。
Cosmosは、ブロックチェーンの分散性を保ちつつ、スケーラビリティと相互運用性を実現するためのユニークなアプローチを提供しています。これにより、異なるブロックチェーンが効率的に協力し、豊かなブロックチェーンエコシステムを形成することが可能になります。
サイドチェーン~イーサリアムのスケーリング①~
サイドチェーンは、メインチェーンのスケーラビリティを向上させ、トランザクションの処理速度を上げる目的で使用されます。イーサリアムのアセットをサイドチェーンにブリッジしてサイドチェーン上のDAppsなどでトランザクションを処理できます。サイドチェーンにアセットを移動して取引をすることでメインチェーンのトランザクション量が削減され、ガス代が削減されるとともにスケーラビリティが向上します。
Polygon(ポリゴン)
Polygonは、Ethereumの「サイドチェーン」として位置づけられており、Ethereumのスケーラビリティと手数料の問題を解決する目的で開発されました。Ethereum上のアセットをPolygonにブリッジすることで、高速かつ低コストでのトランザクションが可能になります。
PolygonはEVM(Ethereum Virtual Machine)互換のチェーンであり、EthereumのスマートコントラクトやDAppsを容易に移行・実行することができます。初期段階では、Polygonはあまり注目されていないプロジェクトでしたが、NFTマーケットプレイスのOpenSeaがPolygonを採用したことから、クリエイターやユーザーによる利用が急増しました。特に、ガス料の問題からNFTの取引をためらっていたユーザーにとって、Polygonは魅力的な解決策となりました。
Polygonは、ゲーム、DeFi、NFTマケプレなど、さまざまなDAppsが活用するプラットフォームとしても成長しています。公式にブリッジ機能が提供されており、他のチェーンとの相互運用性も確保されています。
現在、PolygonはzkEVMなどの新しいテクノロジーとプロジェクトにも注力しており、今後も注目していきたいチームでもあります。
レイヤー2(Layer2/L2)~イーサリアムのスケーリング②~
イーサリアムのレイヤー2技術は、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題に対処する方法の一つです。中でもRollupはレイヤー2の中心的な技術で、これはトランザクションのデータをイーサリアムに保持しながら、トランザクションの実行と検証はオフチェーン(レイヤー2)で行われます。各トランザクションの状態更新がオンチェーンで行われるのではなく、多数のトランザクションを一度にバッチ処理し、その結果だけをオンチェーンで確認します。現在RollupにはOptimistic RollupとzkRollupの2種類が存在しています。
Optimistic Rollupは、トランザクションが最初から正しいと仮定され、後に検証されるという「楽観的」なアプローチを採用しています。トランザクションは、まずオフチェーンで実行され、その結果がオンチェーンに公開されます。しかし、公開された結果には誤りがある場合、任意のユーザーがそれに異議を唱え、証明することができます。異議申し立ての期間があるため、Optimistic Rollupは完全に確定するまでに時間がかかる可能性があります。
zkRollupは、ゼロ知識証明を使用してトランザクションを効率的に検証します。トランザクションはオフチェーンで実行され、その結果がゼロ知識証明としてオンチェーンに公開されます。この証明によって、トランザクションの正しさが確認されるので、異議申し立てのプロセスは必要ありません。これにより、zkRollupはOptimistic Rollupに比べてトランザクションの確定時間が短く、セキュリティも向上します。
zkRollupがOptimistic Rollupの上位互換のように聞こえますが、zkRollupは実装が難しくEVMと同等の実行環境をもつものがローンチされたのも2023年に入ってからで、Optimistic Rollupに比べて手数料が高くパフォーマンスも落ちるなど課題は残っています。使いやすさという点ではOptimistic Rollupが優れているようで、zkEVMが登場してからも利用者や出来高がそちらに大きく流れ込むには至っていないです。
Arbitrum(アービトラム)
Arbitrumは、Offchain Labsによって2021年に導入されたEthereumのレイヤー2スケーリングソリューションです。Optimistic Rollupを利用し、Ethereumのメインチェーンから計算とコントラクトのストレージを移動させ、トランザクションの処理能力を大幅に向上させます。Arbitrumは、ガス料金を大幅に削減し、DeFiアプリケーションへのアクセスを提供します。
また、2022年の8月にNitroという新しい技術アップグレードも導入され、ユーザーエクスペリエンスの向上とトランザクションの速度向上を目指しています。EVMとの互換性を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上し、元々イーサリアムの1/10以下だった手数料をさらに削減し、トランザクションの速度を向上させ、ユーザーや開発者の参入障壁がさらに下がりました。
2023年10月現在でTVLは$1.67Bで、DEXの24時間取引ボリュームも$200Mを超える日も多く、レイヤー2の中では1番利用されているチェーンになります。
Optimism(オプティミズム)
OptimismもOptimistic Rollupを採用したレイヤー2の1つです。Optimismは、既存のEthereumソフトウェアへの最小限の拡張として構築されており、高速で安定しています。そのため、Ethereumで動作するアプリケーションであれば簡単にかつ安価にデプロイすることができます。
TVLは2023年の10月現在で5億8800万ドルほどで、Arbitrumに次いで2番目に大きなレイヤー2です。Optimism上の最大のプロトコルは無期限先物やオプションなどのデリバティブの流動性を提供するSynthetixでその他もDEXやレンディングなどDeFiプロトコルが上位を占めています。
Base(ベース)
BaseはCEXのCoinbaseが提供しているレイヤー2のパブリックブロックチェーンです。OptimismのソフトウェアのセットをオープンソースにしているOP Stackを使用して構築されています。そのため、Optimismと同様に安定性やスケーラビリティを備えており、ガス代もイーサリアムの1/10ほどになっており安価に利用することができます。
2023年の8月にメインネットがローンチと後発のチェーンですが、Coinbase主導のプロジェクトとして注目されており、ローンチ直後から急速な盛り上がりを見せました。UniswapやCurve、Compoundといった主要なDeFiプロトコルも進出していますし、friend.techという分散型SNSも大きな注目を浴びBase上で2番目にTVLの高いプロトコルになっています。
Polygon zkEVM(ポリゴン)
Polygon zkEVMは2023年の3月にメインネットがローンチされた、Polygon Labsが開発するzkRollupを用いたEVM互換のレイヤー2のチェーンです。ゼロ知識証明には「Plonky2」というプロトコルを開発・採用しています。Plonky2は、大量のトランザクションについての証明を単一の証明になるまで集約してから検証できる再起的証明手法を用いることで、トランザクションの検証効率を劇的に向上させています。
ローンチからまだ日が浅いことやトランザクションのガス代がOptimistic Rollupのレイヤー2と比較すると若干高いこともあるのか、TVLや取引ボリュームもArbitrumやOptimismにはまだ及んでいません。それでもzkEVMの実装自体が予想されていたよりも数年早く実現されていて、技術の進歩が目まぐるしく起こっているので、近い将来課題が解決されて広く普及する日が来ることが期待されます。
zkSync(ジーケーシンク)
zkSyncはzkRollupを用いたレイヤー2のプロトコルで、初期バージョンであるzkSync Liteは基本的なトークンの交換や転送を迅速かつコスト効率よく実行できるものの、EVMとの互換性がなかったため、その使用ケースは限られていました。
その後のゼロ知識証明周りの技術の進化によりzkSync EraというEVM互換性をもったバージョンがローンチされ、EVMで動く複雑なアプリケーションのトランザクションを処理してゼロ知識証明による証明を生成しイーサリアム上で検証することを可能にしました。
Moveエコシステム
MoveはFacebook(現Meta社)のDiem(旧 Libra)というブロックチェーンのプロジェクトのために設計されたスマートコントラクト言語です。Rustベースで作られており、資産を安全に扱うために型システムとリソースの概念を導入しています。Libra自体は頓挫してしまいましたが、開発に携わったメンバーたちがMoveを利用できるブロックチェーンのプロジェクトを独自に立ち上げてそれぞれ大規模な資金調達を実施するなど注目を浴びました。
Aptos(アプトス)
Aptosは、2022年10月12日にメインネットをローンチし、Move言語を採用した最初のブロックチェーンとなりました。Aptosはレイヤー1のブロックチェーンであり、スマートコントラクトにはRustベースのプログラム言語「Move」を採用しています。メインネットローンチはAptosBFT(version 4)を使用しており、このコンセンサスメカニズムは、検証者の失敗の影響を迅速に最小限に抑え、スループットとレイテンシを大幅に向上させることができます。
Aptosの特徴として、コンセンサス、スマートコントラクトデザイン、およびシステムセキュリティにおける革新的なアプローチが挙げられます。
EVM (Ethereum Virtual Machine)とAptos Move VMは、スマートコントラクトの実行環境として機能しますが、スマートコントラクトの紐づけの方法に大きな違いがあります。
EVMでは、スマートコントラクトは独自のアドレスに紐づけられます。このアドレスを使用して、コントラクトの関数を呼び出したりコントラクトの状態を確認することができます。例えばトークンの保有量などはEOAアカウント自身が保有しているのではなく、スマートコントラクト内のstateでEOAアカウントと保有量を紐づけています。
Move VMの設計思想では、スマートコントラクトの”アドレス”という概念が存在せず、代わりに全てのスマートコントラクトはユーザーのアドレスに直接紐づけられます。またスマートコントラクトを実行したstateは実際のユーザーのアカウントに記録されるためEVMよりもセキュアであると言われています。
Sui(スイ)
Suiは2023年5月にローンチされた新しいレイヤー1のブロックチェーンです。Suiは、デリゲーテッドプルーフ・オブ・ステーク(dPoS)コンセンスアルゴリズムを採用し、スマートコントラクト言語はAptos Moveと若干仕様が異なるSui Moveが利用されています。
Suiブロックチェーンは、Directed Acyclic Graph (DAG)というデータ構造を利用しており、これはSuiの重要な特徴の一つとなっています。DAGは、循環するパスを持たないグラフであり、新しいノードのみが追加され、後方にエッジが存在してはならないという特性を持っています。Suiブロックチェーンは、状態データをアカウントではなくオブジェクトに格納し、これらのオブジェクトはDAGによって整理されています。
DAGのデータ構造は、Mempool Layerにブロックを保存するために使用されています。このDAG mempoolと革新的なスケーリングソリューションを組み合わせることで、超高速なトランザクション速度を達成することができます。
また、SuiのDAGは、トランザクションオブジェクトの関係を管理するために使用されており、多くの他のブロックチェーンがアカウントを中心にストレージを持っているのに対して、Suiのストレージはオブジェクトを中心にしています。この構造により、トランザクションとオブジェクトの間の関係を効率的に管理し、ブロックチェーンのパフォーマンスと効率を向上させることができます。
ローンチの時期が市況感の悪いタイミングに重なってしまったこともありTVLも2023年10月現在で30位ほどで期待ほどの伸びは見せられていないですが、Suiはその処理能力の高さからBCG(ブロックチェーンゲーム)での利用に向いていると言われており、有力なタイトルのゲームが発表されることで大きく伸びる可能性があるかもしれません。
まとめ
ビットコインから始まり、ビットコインのフォーク、アプリケーションを動かすためのイーサリアムが誕生し、イーサリアムの問題点を解決しようとするイーサリアムキラー、イーサリアムを活用しつつスケーリングするためのレイヤー2が作り出される、というこれまでの流れからブロックチェーン全体が概観でいるようにいくつかのブロックチェーンについて解説しました。
今後も様々な特徴を持ったブロックチェーンが生まれると思いますが、ブロックチェーン全体の流れを把握しておくことでどのような位置付けなのか、なぜその特徴をもったチェーンが開発されたのかなど理解が深めやすくなると思います。