Polygon(ポリゴン/POL、MATIC)とは?チェーンの特徴や主要プロトコルを解説
2025/01/15
Polygon(ポリゴン)は、イーサリアムのスケーラビリティを改善するために開発されたレイヤー2ソリューションです。この記事では、Polygonの基本から最新の技術まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
記事の目次
Polygonの基本概念と特徴
イーサリアムレイヤー2としての役割
Polygonは、イーサリアムのメインネットワーク(レイヤー1)の上に構築された追加層(レイヤー2)として機能します。イーサリアムの処理を一部引き受けることで、より高速で低コストな取引を実現しています。通常のイーサリアムでは数千円かかる取引手数料(ガス代)が、Polygon上では数円から数十円程度で済むため、特に少額の取引を頻繁に行うユーザーにとって大きなメリットとなっています。
高速な取引処理
Polygonでは、一般的なイーサリアムの取引よりも格段に速い処理が可能です。これは、独自のブロック生成メカニズムを採用しているためで、取引の確定までの時間が大幅に短縮されています。この特徴により、リアルタイムに近い取引体験を提供することができます。
Polygonのエコシステム
分散型取引所(DEX)
QuickSwapは、Polygon上で最も人気のある分散型取引所(DEX)の一つです。分散型取引所とは、中央管理者を介さずに、ユーザー同士が直接暗号資産を交換できるプラットフォームです。QuickSwapでは、低い手数料で即座に取引が可能で、様々な暗号資産のペアを取引することができます。
レンディングプラットフォーム
AAVEは、暗号資産の貸借を可能にする大手レンディングプロトコルです。レンディングとは、資産を貸し出したり借り入れたりすることを指します。AAVEをPolygon上で利用することで、低コストで暗号資産を貸し出して利子を得たり、担保を預けて他の暗号資産を借りたりすることができます。これにより、従来の金融サービスでは実現できなかった柔軟な資産運用が可能になっています。
NFTマーケットプレイス
OpenSeaは、世界最大のNFTマーケットプレイスですが、Polygon上でも利用することができます。Polygon版OpenSeaでは、イーサリアム版と比べて大幅に低いガス代でNFTの売買や発行が可能です。これにより、アーティストや小規模なクリエイターでも、気軽にNFTを発行・取引できる環境が整っています。
Polygonの技術革新:zkEVM
zkEVMの概要
zkEVMは、Polygonが開発した最新のレイヤー2ソリューションです。このネットワークは、ゼロ知識証明(ZK)技術を活用して、さらなるスケーラビリティの向上を実現しています。ゼロ知識証明とは、特定の情報を明かすことなく、その情報が正しいことを証明できる暗号技術です。例えば、パスワードを開示することなく、正しいパスワードを知っていることを証明できるような技術です。
zkEVMの特徴と利点
zkEVMは、このゼロ知識証明技術を使って、大量の取引をまとめてイーサリアムメインネットに記録します。これにより、個々の取引の処理速度が向上し、さらなる手数料の削減が可能になります。また、イーサリアムとの完全な互換性を維持しているため、既存のイーサリアムアプリケーションをそのまま利用することができます。
トークンエコノミーの進化
MATICからPOLへの移行
Polygonは最近、ネイティブトークンをMATICからPOLに変更することを発表しました。この変更は、単なる名称変更以上の意味を持っています。スマートコントラクト(ブロックチェーン上でプログラムされた自動実行される契約)のアップグレードが可能になり、より柔軟なネットワーク運営が可能になります。
新トークンの特徴
POLトークンでは、発行量の調節が可能になるなど、より柔軟なトークノミクス(トークン経済)の設計が可能になります。これにより、ネットワークの成長に合わせて、より適切な経済モデルを構築することができます。ただし、既存のMATICトークンホルダーにとって、この変更による大きな影響はありません。
Polygonは、イーサリアムの課題を解決する重要なレイヤー2ソリューションとして、着実な発展を続けています。特に、zkEVMの導入やトークンエコノミーの進化により、より使いやすく効率的なブロックチェーン環境の実現に向けて前進しています。初心者にとっても使いやすい低コストな取引環境と、充実したエコシステムにより、今後さらなる成長が期待されるプラットフォームといえるでしょう。
注意事項
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