暗号資産(仮想通貨)を取引所からウォレットへ送金する方法を解説

2025/01/10

暗号資産(仮想通貨)を取引所からウォレットへ送金する方法を解説

暗号資産(以下、仮想通貨)の送金については、まず取引所からウォレットへの送金方法を理解することが重要です。
取引所に口座を開設し、仮想通貨を購入した後、個人のウォレットに移すことで、より安全に資産を管理できます。この送金の際には、ウォレットアドレスを正確に入力することが求められます。
ウォレットのアドレスが間違っていると、仮想通貨を紛失するリスクがあるため、慎重に確認しましょう。

仮想通貨送金の基本

仮想通貨取引所で購入した仮想通貨を自分のウォレットへ送金することは、資産を安全に管理するための重要なステップです。送金の仕組みと必要性を理解することで、より確実な資産管理が可能になります。

仮想通貨の送金とは?

仮想通貨の送金は、ブロックチェーン上で仮想通貨を異なるアドレス間で移動させる操作です。特に、取引所からの出金は、取引所が管理するウォレットから、自分で管理するプライベートウォレットへ資産を移動させる操作です。

取引所では、顧客の仮想通貨を一括して管理しており、私たちが取引所で保有している仮想通貨は、実際には取引所のウォレットの中で管理されています。取引所からの送金では、取引所のシステムを通じて指定したウォレットアドレスに仮想通貨を移動させます。この過程は、ブロックチェーンネットワークによって検証・記録されます。

なぜウォレットへの送金が必要なのか

取引所からウォレットへの送金には、主に2つの重要な理由があります。

1つ目は、セキュリティの強化です。取引所はハッキングの標的となりやすく、過去に大規模な資産流出事件も発生しています。個人のウォレットに移すことで、自己管理によるセキュリティを確保できます。

2つ目は、資産の完全な管理権限の確保です。取引所に預けている場合、その資産は実質的に取引所の管理下にありますが、ウォレットに移すことで、秘密鍵を通じた完全な資産コントロールが可能になります

仮想通貨取引所からの送金(出金)手順

GMOコインを例に、仮想通貨取引所からウォレットへの具体的な送金手順と注意点を解説します。正しい手順と確認事項を理解することで、安全な送金が可能になります。

取引所からウォレットへの出金処理フロー

1. GMOコインにログインし、左のサイドバーから入出金の「暗号資産」を選択する。

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2. 暗号資産の一覧から出金したい仮想通貨を選択する。

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3. 送金先ウォレットのアドレスを登録(コピー&ペースト推奨)

今回は送金先として、シンプルなビットコインウォレットである”Electrum”を使用します(注:別途、ダウンロードが必要です)。

上のタブから「Recieve(受け取り)」を選択し、右上のボタンをクリックで「Address」へ切り替えます。すると、その下の欄に受け取り専用のアドレスが表示されるので、クリックでコピーします。

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GMOコインの「新しい宛先を追加する」をクリックし、今回は自分のウォレットへの送金を行うため「GMOコイン以外」を選択し、続いて「プライベートウォレット(Metamaskなど)」、「ご本人さま」を順に選択します。

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「宛先情報の登録」の「ビットコインアドレス」のところに先ほどコピーしたアドレスとペーストします。「宛先名称」は自分が分かりやすいように自由に入力します。入力後、「確認画面へ」を押し、最終確認のチェックボックスにチェックを入れ、「登録する」をクリックします。

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GMOコインに登録したメールアドレス宛に、認証メールが届きますので、届いたメールに添付されたURLをクリックして、宛先の登録が完了します。

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4. 送金額を指定して実行

しばらくすると登録されたアドレスが表示されるのでクリックし、「次へ」を押すと以下の画面が表示されます。送付したい数量を入力し、送付目的を選択します。「SMSで2段階認証コードを受け取る」をクリックし、届いたコードをその下の欄に入力し、「確認画面へ」をクリックし、最終確認を行なって送付完了です。

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送金手順では、特にウォレットアドレスの入力に注意が必要です。アドレスの入力ミスは資産の紛失につながる可能性があるため、必ずコピー&ペーストを使用し、入力後は全文を目視で確認することを推奨します。また、少額での送金テストを行うことで、安全に送金できることを確認できます。

仮想通貨出金時の注意点

取引所からの仮想通貨出金処理では、以下3つの重要な確認事項があります。

1. ウォレットの互換性確認

各仮想通貨には専用のウォレットが必要です。例えば、ビットコイン専用のウォレットにイーサリアムを送金することはできません。送金前に、選択した仮想通貨に対応したウォレットであることを必ず確認してください。対応していないウォレットに送金すると、資産を完全に失う可能性があります。

2. チェーン(ネットワーク)の確認

同じ仮想通貨でも、複数のブロックチェーンネットワーク(チェーン)上で取引される場合があります。例えば、USDTはイーサリアムネットワークやBSCネットワークなど、複数のチェーンで発行されています。送金元と送金先で同じチェーンを選択していないと、送金が失敗したり資産が失われたりする可能性があります。

3. 出金手数料の確認

ブロックチェーンネットワークの混雑状況により、送金手数料は常に変動しています。高額な手数料設定で送金を急ぐか、低額な手数料で時間をかけるか、状況に応じて判断する必要があります。また、手数料を含めた合計額が送金可能額を超えていないことを確認してください。

これらの注意点を適切に確認することで、安全かつ確実な送金が可能になります。初めて送金する場合は、少額での実験的な送金を行うことをお勧めします。

よくある質問とトラブルシューティング

仮想通貨の送金では、一度送信した取引を取り消したり、送金先を変更したりすることができません。これは、ブロックチェーンの特性上、取引が承認されると変更不可能になるためです。そのため、送金時のミスは即座に資産の損失につながる可能性があります。ここでは、安全な送金のための具体的な手順を説明します。

よくあるミスと防止方法

送金の際は、前章で説明した注意点(アドレス、チェーン、手数料など)を複数回確認することが重要です。特に初めて送金する場合は、必ず少額での送金テストを行うことをお勧めします。例えば、出金可能な最小の額で実行し、正しく送金できることを確認します

少額送金が成功したら、取引所の「アドレス帳」や「送金先登録」機能を活用しましょう。一度登録したアドレスは、次回から選択するだけで送金が可能になり、入力ミスのリスクを大幅に減らすことができます。

本送金の際も慎重に確認を行います。登録したアドレスが正しいか、選択したチェーンが適切か、送金額に誤りがないかを、最低でも2回は確認してください。

出金にかかる時間について

取引所からの出金は、主に3つのステップで処理されます:

1. 取引所での確認 取引所がセキュリティチェックと本人確認を実施します。これには通常数分から数十分かかります。

2. 取引所の処理 取引所が定期的に出金処理をまとめて実行します。取引所によって処理間隔は異なり、数分から数時間の幅があります。

3. ブロックチェーンでの承認 ブロックチェーンネットワーク上で取引が承認されるまでの時間です。ネットワークの混雑状況により、10分から数時間かかることがあります。

一般的なウォレットへの送金完了までの目安としては30分〜2時間程度です。

まとめ

安全な仮想通貨の送金には、正しい知識と慎重な操作が不可欠です。以下のポイントを必ず確認してください:

  1. 送金前の確認事項
  • ウォレットの互換性
  • 正しいブロックチェーンの選択
  • 送金手数料の確認
  1. 実行時の安全措置
  • アドレスの複数回確認
  • 少額テスト送金の実施
  • アドレス帳への登録
  1. 送金後の注意点
  • 送金状況の確認
  • 完了までの待機時間の把握

仮想通貨の送金は一度実行すると取り消しができないため、各ステップでの確認を怠らないようにしましょう。特に初回の送金時は、必ず少額テストを行い、安全に送金できることを確認してから本送金を行うことをお勧めします。

これらの手順を守ることで、安全かつ確実な仮想通貨の送金が可能になります。

矢井田 友暉

理学博士。植物を対象とした保全生態学分野での研究活動と並行し、ブロックチェーンやスマートコントラクトの開発に従事。日本とドバイでWeb3プロジェクトの開発経験を持つクロスフィールドな研究者/エンジニア。

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  • 暗号資産(仮想通貨)への投資判断は、ご自身の責任において行ってください。投資を行う際は、取引所の利用規約および取引に関する説明事項をよく読み、リスクについて十分に理解した上で、ご自身の判断と責任において行ってください。
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